令和6年3月1日以後終了事業年度から使用される新様式には、取引先のインボイスの「登録番号」または「法人番号」の欄が新設され、これらを記載すれば取引先の所在地等を省略できるようになりました。一部の実務家からは新旧様式の所在地等の情報に齟齬が生じる懸念がありましたが、国税当局は登録番号等に紐づけられた情報を基に照合するため、記載情報の差異を気にする必要はないとしています。

法人税の確定申告では、申告書以外に勘定科目内訳明細書や法人事業概況説明書などの添付が義務付けられています。国税庁は令和6年3月4日にe-Taxのホームページでこれら添付書類の様式改訂を公表し、令和6年3月1日以後終了事業年度分から新様式を使用する旨を示しました。新様式では、インボイスの登録番号または法人番号を記載すれば、旧様式で必要とされた取引先の名称や所在地を省略できるようになりました。

旧様式では取引先の名称や所在地の記載を申告法人が行っていたため、新様式における登録番号等に紐づく情報と一致しないケースが考えられます。例えば、取引先の所在地について、旧様式で申告法人が取引先のホームページや名刺の情報を基に記載していた所在地と、登録番号に紐づいた所在地が異なる場合です。この場合、新様式に登録番号のみを記載することで、新旧様式の情報不一致により書類の不備等になる懸念がありましたが、国税当局は情報の差異が生じても問題ないとしています。

法人事業概況説明書の様式改訂後の表面には電子帳簿保存法の適用状況を把握する欄、裏面には年末調整関係書類の電子化の状況を把握する欄が新設されています。

（出典：税務通信3819号）