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2027年4月から適用される新リース会計基準では、原則すべてのリースをオンバランス(資産・負債を計上)する。借手のリースの分類がなくなり、従来のファイナンス・リース(FL)とオペレーティング・リース(OL)のいずれであっても使用権資産とリース負債を貸借対照表に計上することになります。

オンバランスで変わる処理
現行のリース会計基準では、借手のリースをFLとOLに分類した上で会計処理を行います。
前者はオンバランスされ、後者はオフバランス(費用処理のみ)とされています。

2027年4月から適用される新リース会計基準では、この借手のリースの分類がなくなり、原則すべてのリースがオンバランスとなります。従来のOLについても、使用権資産とリース負債を貸借対照表に計上することになります。
また、従来、損益計算書においては、OLに係る費用として、支払リース料を毎期定額で計上してきましたが、今後は、使用権資産に係る減価償却費とリース負債に係る利息費用として計上することになります。
利息費用は、負債の元本が大きいリース期間の前半に多く発生し、期間の経過とともに減少していくため、年度による影響額が異なるという特徴があります。

■オンバランス不要でも一定の管理が必要
現行基準では、解約不能のOL取引の場合、解約不能期間中の未経過リース料を、貸借対照表日後1年以内のリース期間に係るものと、1年を超えるリース期間に係るものとに区分して注記するとしていがますが、今後、この注記の金額を単純にオンバランスするわけではありません。
新基準では、借手のリース期間について、従来とは異なる定めがおかれているため、その判定次第でオンバランスする金額が増減することになります。具体的には、解約不能期間に以下の期間を加えて決定するとしています。
・借手が行使することが合理的に確実であるリースの延長オプションの対象期間
・借手が行使しないことが合理的に確実であるリースの解約オプションの対象期間
例えば、契約期間が2年であり、6カ月前の通知で解約できる場合において、解約不能期間は6カ月となります。解約オプションを行使しないことが合理的に確実であれば借手のリース期間は契約期間と同じ2年となります。しかし、契約終了後に延長可能である場合には、その延長期間を加味することになりますので、借手のリース期間は2年より長くなる可能性があります。

また、新基準も従来と同様に短期リースはオンバランス不要ですが、上記の通り、延長・解約オプションを考慮する必要があるため、借手のリース期間が12カ月超となる可能性もあります。リース期間が12カ月以内の短期のOLなど、未経過リース料の注記から除外していたものがオンバランスの対象となる可能性があります。加えて、新基準では、短期リースに関する注記が求められており、オンバランス不要であっても一定の管理が必要となる点にも留意が必要です。

(出典:経営財務3677号)

 

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