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企業の代表取締役に対する役員報酬が非常に高額な場合、税務上、どのようなリスクがあるのでしょうか?近年、「不相当に高額な役員給与」に対する課税庁の目は厳しくなっており、損金算入(税務上の経費扱い)を否認されるケースも出てきています。
今回は、実際に争われた裁判例をもとに、注意点を解説します。

■ 過大な役員報酬は“損金否認”の可能性あり
法人税法では、役員報酬が「不相当に高額」であると判断された場合、その超過部分は損金(経費)として認められません。とくに注目されているのが「定期同額給与」(毎月定額で支給される給与)における過大性の判断です。

■ 裁判例:自動車輸出入会社のケース(東京地裁 令和2年)
ある自動車輸出入会社では、代表取締役に高額な役員給与を支給し、それを全額損金算入していました。しかし、税務調査で「一部が不相当に高額」とされ、更正処分を受けたため、会社側はこれを不服として提訴しました。

裁判所は以下のような点を重視し、納税者側の主張を退けました。
業績が悪化傾向にあるにもかかわらず、役員報酬だけが急増していた
他の同業企業と比べて、報酬額と増加率が「著しく不自然」だった
改定営業利益(営業利益+役員報酬)の大部分を役員報酬が占めていた

その結果、「不相当に高額な部分」は損金不算入とされ、会社側は敗訴しました。

■ 納税者の主張と裁判所の判断
会社側は「代表者の仕事は特別で、一般的な同業者と比較すべきではない」と主張しました。実際、代表はマレーシア在住で、顧客対応から仕入・販売まで一手に担っており、年商も約70~90億円と非常に高かったのです。
しかし、裁判所はそれを認めず、「職務の範囲は一般的な役員と変わらない」と判断。同業他社との比較を基本に、「高すぎる報酬」と評価したのです。

■ 今後の実務への示唆
この裁判例は、以下の点で重要な示唆を与えています。
法人の業績が悪化傾向にある中で役員報酬を増やすのはリスクが高い
役員の業務内容が特別であっても、報酬の妥当性は「同業他社」との比較が基本
税務上の損金算入を正当に認めてもらうには、客観的な基準が必要

さらに、この代表者は非居住者であり、法人税よりも源泉税の税率が低いことから、税率差を狙った報酬設定ではないかという疑念も指摘されています。

■ まとめ:役員報酬の設定は慎重に!
役員報酬は「高ければ高いほどいい」というものではありません。法人の業績、同業他社の水準、役員の職責の実態を総合的に勘案し、毎期見直すことが大切です。
もし高額な報酬を設定する場合は、その合理性をきちんと説明できる資料や根拠を整えておくべきでしょう。今回の裁判例は、役員報酬の“見直し”や“リスク管理”を考える上で、大いに参考になります。

 

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